チロル食てたら何と無く浮かんだ。

「僕達が愛し合っても、ね」


此のチョコみたいな結果に為るんだよ、と貴方は茶色い包み紙を開き乍ら云った。

唇に押し付けられた其れを、私は口に入れた。
暫らくは甘いチョコの味がした。

途端に、…苦い。

だから私は、コーヒーヌガーは嫌いなんだ。

「ふふ、僕だって嫌いだよ。でもね、不可能な亊って有るものなんだと、思う」

私の考えを讀んだかの樣な言葉。

「如何して、そんな亊云うの、何で」

「駄目なんだ」

「厭だ」

「そういう問題じゃないだろ」

「其れでも、厭だよ」

「…駄目、なんだよ」

狙いすましたみたいな参度目の聲。

何で、如何して、此の男はこうも悲観的なのか。
聞いて居る此方迄、氣が滅入りそうだ。

「ねえ、」

「ん、何」

「眼ェ閉じて口開けて」

「何だよ」

「いーから」

私は同じ樣に奴の口にチョコを押し込んでやった。

「…何此れ、ミルクチョコ？」

「其れが、私の考え。てか、あんたは前言撤回しなさい」

「はぁ？」

「私達の愛は‥ずっと、終始、甘いの。苦くなんて、させない」

初めて此奴の驚いた顔を見た。フリーズしてる。

「…ちょ、鳥渡、何か云いなさいよ」

「ふふっ、あはははははッ」

「うわ、あんたキモッ」

「ん、解ってる」

「もっとキモー」

「…大好き」

「ばかっ、だったら、無理して別れようとすんな、よ…」

「そうだね。誰かさんに泣き乍ら懇願されちゃあ、仕方無い」

「誰が‥泣いて、るかってのぉ…ッ」

「よしよし。御免ね、あんな亊もう云わないから」

嗚呼、くそ。格好良いじゃないか。
涙で視界は霞むけれども。

「ばか。ばかばかばか、ばかばかぁっ」

「はい、じゃあ僕からも御返し」

そう云って手渡されたチョコは、


莓味。
（甘い上にピンク色ですか？）



(070722)

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痒ッ！そして砂糖吐きそう！
チロル食っただけで話考えるとか末期だね。

しかも最初とラスト矛盾し過ぎだろぃ。
幾つチョコ持ってんだ、て話。ぇ

…ま、好いか。適当だし。笑

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